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首都分散は待ったなし!

 今度の熊本地震では今のところ死者の数は42人で、直下型地震の直撃を受けた益城町で死者が20人と突出して多い。一方で人口74万人の熊本市では4名と少ないといえば少ないが、それでも震度6強の影響で住宅の損壊が多く、避難者は10万人程度に膨れ上がった。

 どこのニュースだったか、熊本市の市長が涙ながらに、「74万の市民に一本のペットボトルをと思っても74万本も必要です。そんな数の緊急備蓄はありません。どうかよろしくお願いしたい!」とインタビューで語っていたが、まさに大変な事態だ。

 震源の益城町は3万4千の人口のうち半数が避難しており、こちらも水や食料等の不足にぶち当たっている。

 水や食料などは続々と集まりつつある援助隊などの提供で何とか賄えるにしても、困るのは電気や水道のストップだろう。その中でも水道の停止は飲み水もさることながら高度に発達したトイレの機能をストップさせてしまうので厄介だ。

 熊本は政令指定都市で人口74万は九州内で3番目の規模である。今回は大規模な火災もビルの倒壊も発生しなかったが、それでも都市特有の被害で10万人もの避難者を生んだ。

 これが10倍規模の東京・横浜・大阪などで発生したらどうだろうか。運よく死者の数は限られたとしても、都市特有のライフラインの寸断による被害は想像をはるかに超えるに違いない。

 特に政治・行政の最高機関が集まっている東京で起きたら、まさに想像を絶する混乱に陥るだろう。省庁の地方移転を可及的速やかに、計画を前倒しして実施すべきではないかと思うのだ。

 今朝の「あさチャン」では、大都市の直下型地震についてその危険性を三点挙げて報じていた。Cimg8899Cimg8905 通電火災――という耳慣れない言葉が出てきたが、これは電気器具のスイッチを入れたまま外に避難した場合、激震で一時的に電力会社の電気がストップしたあと、復旧工事が済んでから通電したときに、例えば電気ストーブなどが再び点いてしまいその上に落ちかぶさっていた衣類や紙類に火がついて火事になるというもので、21年前の阪神淡路大震災では通電火災による死者が500名にも上ったそうである。

 対策は「ブレーカーを落としてから避難する」であった。今なら激震が来たら自動的に落ちる器種というのがあるかもしれない。Cimg8909 長周期地震動――これこそまさしく大都会型被害の典型だ。もうこんな高い建物は制限すべき時に来ている。地震国日本なのだから。Cimg8911_1 パンケーキクラッシュ――というのは見当がつかない。パンケーキのようにぺしゃんこになるということか。建物の重みで一階部分が完全につぶれてしまったのは今度の熊本地震でもかなり見られたが、大都会は高層のビルが多いから一階どころか2階・3階もクラッシュするだろう。

 ①では焼死、②では物に挟まれたり、落ちて来た物に当たって打撲死、③は文字通りぺしゃんこ(圧死)――という死に方の分類だが、その他に大都市では地下街の水没や、ガソリンスタンド等にある危険物による化学死もバカになるまい。

 今回の熊本地震でよく引き合いに出されるのが「活断層」で、日本中に約2000もの活断層がひしめいており、どこがいつ活動するかの予兆は無いようである。これが怖い。Cimg8914 日本全体を眺めると、熊本には確かに3本ほどの活断層があるのだが、中部や近畿北部、信越方面の密度の高さに比べれば緩く感じる。そんな場所でこれまでに列島で3回しかない「震度7」を記録する激震が走ったのだから驚くほかない。

 こうして見ていると、活断層のほぼ存在しないかわずかしか無い場所として、中国地方の瀬戸内海側がクローズアップされる。岡山県の西半分と広島県の東半分そして島根県もこれに該当している。

 このうちで晴れの県と言われる岡山は住みたい県としても人気が高いが、このあたりに東京の分都を建設したらどうか。もちろん大阪もそれなりの受け入れ先として十分な機能を持っていると思うので、共同で首都分散の大事業を引っ張ってくればよいと思う。

 平成に入ってからずいぶんと地震災害が増え、かつ規模が大きくなっている。

 指折り数えても、平成5年の北海道南西沖地震(奥尻島の港が津波に襲われ壊滅的被害)、7年の阪神淡路大震災、中越地震、東北中部地震、そして東日本大震災。それから今回。

 昭和の時代は戦後の30年代以降の50年間を顧みても、自分の記憶にある大地震としては新潟地震、秋田沖地震くらいしか思い浮かばない。規模もせいぜい数十人が犠牲になったくらいだったと思う。(ただし三陸地方でチリ大地震の余波の津波で犠牲者が相当出たが)

 それがこの25年はどうだ。もう6回も大地震が起きて死者の数も2万5千人を上回っているではないか。

 さらに首都直下型地震はもとより、南海トラフ地震、東南海地震、相模湾地震(小田原地震)など手ぐすね引いて待っている大地震が目白押しだ。

 このどれかが今後数年のうちに起きて何らおかしくはない。熊本地震はのんびりしてはいられないぞというシグナルを送ってくれたと自分は思う。

 大難を中難に、中難を小難にするためにも、首都分散は待ったなしである。













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