« 史論集『大隅』59号を発刊 | トップページ | 未知の活断層 »

天災が忘れないうちに続々と・・・。

 天災は忘れた頃にやってくる――という格言はたしか文人科学者として有名な寺田寅彦が言い出したと思うが、今度の熊本地震までの平成時代の天災は全くその反対で、続けざまにこれでもかとばかり日本列島を襲い、忘れないうちにやってきた。

 100年か200年単位で起こるのが普通の「震度7」の大地震がもう平成になってから4度目。日本列島を取り巻くいわゆる「環太平洋地震火山帯」が最大の活動期に入ったと考えたほうがよい。つい数日前には南米エクアドルで大地震が起き、死者が7~800人となっているという。

 熊本地震とエクアドルの地震の直接の関連性はない(と思う)が、同じ環太平洋帯に属しているのは事実である。そういえば東日本大震災が起こる数か月前にやはり同じ地震火山帯に属しているニュージーランドのクライストチャーチという町で直下型地震があり、これは今度の熊本地震よりはるかに小さい規模でありながら、語学教室の入っていたビルが倒壊して数十人の学生と市民が死亡している。

 東北地方とニュージーランドは地球の反対側の位置にあるが、そこがプレートテクトニクス運動の目に見えぬ巨大さ、実感できぬ怖さだ。今や地球を数億キロも離れた宇宙へ衛星を飛ばす時代である。それから比べたら、数万キロは一万分の一。情報網の発達で地球の裏側と即座に言葉も映像もかわせる時代に入ったのだから、もっと各国が情報を交換して未然に察知できないものかと歯がゆい思いがする。

 それにしても今回の熊本地震(画像は今朝8時からの関口宏サンデーモーニングより)。Cimg8963 16日の本震М7は堂々たる「震度7」。しかし一昨日だったか、前震М6.5の揺れも実は益城町では震度7だったと、震度6強から格上げされた。

 こういう気象庁の震度訂正というのも初めてだが、それよりもその結果、益城町では2日足らずのうちに二度もの「震度7」に見舞われたことになる。これも気象庁の地震観測開始以来初めてのケースとなるようで、実はこっちのほうがはるかに深刻なのだ。

 益城町での死者が、その二度にわたる巨大な揺れの割には火災が起きなかったこともあり20名と少なくて済んだからメディアも殺気立った報道はしていない(のが救われもする)が、今後起こるであろうプレートテクトニクス運動は想像を絶するものになるかもしれないことを念頭に置くべきだろう。

 それにしても人口の半分が避難生活をしている益城町の避難所である公共の建造物――学校や体育館などが無傷に近く、多くの人々を収容できている映像を見ると、二度もの「震度7」に堪えたそれらの施設の耐震性には目を見張る思いだ。

 阪神淡路・中越・東日本等の震度7を目の当たりにして国や県の進める「震度7に堪えられる(補強)工事」が手抜きなく行われたことを示しており、町や県当局の対応と担当した建設業者に拍手を送りたい。

 俺のところは昔から地震がないのさ――と思ってのんびりしている地方が多いと思うが、実は昨日NHKの地震関連の番組で熊本出身の女優・宮崎美子が「熊本は阿蘇火山の災害関連はよく言われるけれども、まさか地震であのようになるとは、自分も含めて誰も考えていなかったのでは・・・」ということを言っていたが、まさにその通りなのだ。想定外のことが起きるのが地球規模のプレートテクトニクス運動なのである。(この場合は「天災は忘れていてもやってくる」だろうか・・・・・・。)

 「関口宏サンデ―モーニング」ではさらに異例なことを取り上げていた。Cimg8965 それは気象庁が21日の会見で、熊本中央から阿蘇、阿蘇から大分まで揺れた地震全体をひっくるめて「平成28年熊本地震」の範囲に含めるというもので、これで最初に日奈久活断層帯で起きてから布田川活断層帯での本震から阿蘇・大分までの広範囲の地震は一連のもの、つまり別々に起きた地震ではなかったとしたことである。

 要するに最初は地震学者が肯定していなかった「誘発地震」的な事実を認めたことになるのだ。これなんか我々素人目で「ドミノ的に起きたんじゃないの?」と直感的に思ったことである。専門の学者でさえ「想定外の、あるいはこれまでなかった現象」に戸惑った感がある。

 やはり今度の熊本地震は異例だった、すなわち常識が通用しない現象なのだろう。したがってこれを契機に阿蘇火山や九州のほかの火山が活発化することも想定しておいたほうがよい。

 もう一つ気になるのが、やはりサンデーモーニングで指摘していた原発である。Cimg8975 三つの丸い赤線で囲まれた地方を結ぶのが「別府ー島原地溝線」でこれは日本列島の西半分をさらに南北に分ける「中央構造線」の一部で、今度の一連の地震では震度6以上のものが×点の場所を震源として起こったわけだが、大分方向をさらに北東に中央構造線に沿って行けば、「伊方原発」、逆に南西方向に日奈久活断層帯に沿って行けば「川内原発」に行き当たる。

 それぞれの原発の直下に活断層は無いそうだが、川内原発のある薩摩川内市では今度の熊本地震関連で震度4を数回見舞われている。それでも安全審査委員会は「運転に影響はない」とするが、やはり一度停止すべきだろう。

 実はもっと怖い現実があった。Cimg8917 この画像は4月18日か19日の朝のテレビ番組で見たもので、ニュースソースは「東京新聞」だったと記憶しているが、去年の11月14日に「薩摩西方沖地震М7.1」が起きていたというものである。

 自分はこの時の発生情報の記憶がないのだが、それよりだいぶ前の川内原発再運転(8月)のわずか数日後に、やはり薩摩西方沖で震度4を記録する地震が起きており、家内とそれを見ていて「あれれ、原発運転再開を大歓迎するような地震だな・・・」と言い合い、ちと不安が脳裏をかすめたことを覚えている。

 この薩摩西方沖に活断層が存在するのは間違いないが、これと日奈久断層帯との関連はどうなのか。見た目では日奈久断層帯のさらに南西延長上にМ7.1の震源があるように見えるが・・・。海底のことだからそこまでは調査していないのではないか――と思うと不安である。地質学者は調べていないので何とも言いようがないと逃げるだろうが、この際素人目の常識を信じてもらいたいものだ。

 川内原発は止めるに越したことはないだろう。

 

|

« 史論集『大隅』59号を発刊 | トップページ | 未知の活断層 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 史論集『大隅』59号を発刊 | トップページ | 未知の活断層 »