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続・トランプ大統領待望論

 先日のニュースで、共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏が民主党候補のヒラリー・クリントン氏をアンケート調査で僅差ながら支持率で上回ったとあった。Cimg0535 民主党の予備選で3月頃までは対立するサンダース候補に苦戦を強いられていたクリントン候補だったが、4月に入って過半数に手が届くのは確実とみられてからは国民の間にヒラリー待望論が沸き上がり、もともとは共和党内部で泡沫候補と見られていたせいもあってトランプ候補は著しく人気を下げた。

 だが同じ4月にヒラリーより早く党の選挙人数で過半数を獲得すると、逆にトランプの支持率が上向き、5月22,3日頃には初めてヒラリーを上回った。

 おそらく共和党の選挙人の過半数獲得が確実になってから、「毒舌・暴言」の類を極力抑える演説に変わったからだろう。Cimg0541 もっともそれは二人の相対的な支持率での話であって、この二人はこれまでの大統領選における人気世論調査の中で最も人気度の低い組み合わせということである。Cimg0540 相対的な支持率ではトランプが上回ったが、大統領としての好感度調査ではどちらも「好ましくない」が上回っているそうだ。

 7月に共和・民主両党でそれぞれ党員集会が開かれ、二人がそれぞれの党で大統領候補に選ばれるのは確実だが、11月の代議員による本選挙までにどれくらい好感度を上げるのかが見ものである。

 好感度を上げきれず「好ましくない」が上回ったまま大統領に選ばれる可能性は大いにあるが、それはアメリカ国民サイドのことでわれわれ外国人には関係ない。

 それよりとにかく今の情勢だけで考えると、以前にNHKの討論番組で「トランプ候補が大統領になることは、日本でいえばあの自民党の暴れん坊ハマコー(浜田幸一)が首相になるようなものだ」と言われていたトランプが大統領になる事態が現実になりそうだ。

 トランプの「暴言」の中で、「対日駐留米軍経費の全額負担だ。さもないと、米軍を引き上げるぞ!」は、日米安保堅持論者の心魂を寒からしめるに十分だが、自分などは米軍の引き上げ大いに結構、いつまでも自国の防衛をアメリカにやってもらっている必要はない――と考えているから、どうぞどうぞ、である。

 もう安保堅持論者の「米軍にやってもらっている方が強いし、安上がりだ」というふにゃけた思考は停止すべきだ。よくぞ言ってくれた。トランプさんありがとう。

 米軍が引き上げればすぐに中国が進出して、そのうちに尖閣諸島はもとより、下手をすれば沖縄まで奪われる――こんな考えの安保堅持論者が多いが、いったい中国が何を理由に尖閣に侵攻し、沖縄まで奪うというのだろうか? 根拠は何だろうか?

 仮にもし自己中な理由をつけて尖閣を占領したら、堂々と自衛隊が追い払い、同時に国連へ提訴すればよいのだ。恐れる必要はない。

 「憲法9条があるから自衛のための武力行使も駄目だ」という馬鹿者はもういないだろう。

 個別的自衛権はおよそ独立国家であればどの国にもある固有の権利で、憲法9条も第一項が主たる条文で、第二項は第一項を受けての文言、つまり「国際紛争を解決するために国外で武力を使用することは放棄した」ので、そのための武力は持たないが、自衛のための武力まで否定してはいないのであり、個別的自衛権に基づく武力の行使(専守防衛的武力の行使)は認められる。(そのための「自衛」隊なのだ。)

 要するに攻めて来たら追い払う――というごく常識的なレベルの戦力は否定されていないのである。

 このレベルの戦力は今の自衛隊でも十分に持っているから、それで対処すればよい。

 いや、それでも中国は米軍が駐留をやめたら何をするか分からない――こう考える人は外交交渉を知らない人だ。また歴史を知らない人でもある。

 そもそも日米安保は「日本の安全を守ってくれる」同盟だ――と思うのが間違いなのである。

 日米安保締結に至る歴史を簡単に振り返れば、

  1945年8月15日…終戦

       同28日… GHQ設置(占領開始)

 

    同年9月2日…降伏文書調印

    (以降はGHQによる占領政策が続く。日本国憲法制定もその意向に沿う)

  1950年6月~1951年11月…朝鮮動乱。板門店で休戦協定妥結。

  1951年4月…連合国総司令官マッカーサー罷免(朝鮮で原爆使用を求めたため)

  1951年年9月8日…サンフランシスコ講和(連合国との戦争状態終わる)

          同日…日米安全保障条約締結(旧安保条約)…米軍のみ駐留(吉田首相が調印)

  1956年10月…日ソ共同宣言

  同年12月18日…国連総会で日本の加盟を正式に承認(ただし、国連憲章第53条により「旧敵国」扱いのままである。これが日本がいかほど分担金等で国連に貢献しても「安全保障常任理事国になれない理由)

  1959年12月…最高裁で東京地裁の伊達判決(米軍駐留は違憲)を破棄

  1960年6月19日…改定安保条約(新安保条約)が成立(岸首相が調印)…期間は10年。その後、一方が廃棄を言わない限り一年ごとに自動延長。現在自動延長は45年を経過。

 ということで現在に至っている。

 アメリカはソ連・中国の共産主義勢力を敵国視しているので、その監視と防波堤の役割を日本列島に負わせており、同時にまた「国連憲章」上でいまだに「旧敵国」条項(第53条)国扱いをしている日本が対米(対連合国)反攻をしないように抑えているのである。決して単純に「日本を守ってくれている」のではないのだ。

 1970年から自動延長を繰り返し今年で46年目に入った。一年ごとに延長かどうか審議すべきなのにほとんどなし崩しのまま今日まで来ているので、米軍駐留は当たり前のように思われ、したがって日米安全保障条約無しの方がおかしいくらいに感じている人が多い。

 その間に「日米地位協定」なども結ばれ、米軍駐留領域ではほぼ「治外法権」がまかり通っている。今度の米軍軍属による沖縄女性暴行殺害事件は容疑者が日本人女性と結婚し(国籍はどうなのか不明)ているため、地位協定外の事案となったようだが、沖縄では大きな怒りが渦巻いている。

 沖縄で米軍軍人・軍属がらみの事件が起きるたびに沖縄県民はいつもその「治外法権」的な収拾にやりきれない思いでいる。

 米軍駐留が無くなれば、このような日米地位協定による不当な差別的(と沖縄県民は思っている)事態収拾は当然なことに雲散霧消する。

 また米軍の飛行訓練などで沖縄のみならず本土でも市街地上空を飛ぶ際には、どんなに低空で飛んでも日本政府は「やめてくれ」と言えないようであるが、こんな危険性も米軍駐留が無くなれば解消する。

 今度のトランプの対日「暴言」は、逆にわれわれの目を45年も自動延長を繰り返している安保条約っていったい何のためにあるのだ、ということを根本から見直す良い機会を与えてくれた。

 日本は専守防衛で徹底的に自衛隊で国を守り、国外に出て戦争はしない。米軍よさようなら。中国やロシアが侵攻したらまずは迎撃し、その後は国連の場で交渉する。中東のシーレーンも自衛艦隊で安全を守り(発砲はしない)、石油がらみの紛争は外交と商取引の公正さで交渉をして行こう。

 そして永世中立を宣言し、どの一国とも集団的自衛権などという軍事同盟などは結ばない。(自分の国は自分で守れ。そして何よりも民生の安定に力を注げ。世界が期待しているぞ)

 危機的な海外邦人の擁護に関しては、まず大使館(領事館)、現地の軍や警察等で保護してもらいすぐに外交交渉を行う。そして我が国への帰還に当たっては自衛艦隊(発砲等はしない)又は民間の客船をチャーターして行う。

 米軍は自国の経費まで出して日本人なんか助けないぞ――と仰せの、世界の普通の市民の感覚を持っているトランプ氏が新大統領になるのを期待している。

 

 

 

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