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オバマ大統領の広島訪問

 2日間の日程で開催された伊勢志摩サミットのあと、オバマ大統領は広島に向かった。

 途中、岩国の米軍基地に立ち寄り(大統領専用機を基地に置いて)、ヘリコプターで広島まで飛んで来た。

 現職の大統領として初めての広島訪問である。Cimg0588 原爆平和資料記念館への予定はなかったそうだが、資料館前まで専用車両で乗り付け、出迎えの広島市長にあいさつを交わすと館内に入っていった。

 おそらく先月やってきたケリー国務長官とケネディ駐日大使の意見を取り入れたのだろう。約15分間の見学を終えて出て来たオバマ大統領は安倍首相とともに慰霊碑の前に足を運んだ。Cimg0593_2 そして花輪を受け取り、献花台に花輪を供えた。Cimg0598 そのあと数十秒だったが、瞑目していた。Cimg0599 献花した後も、瞑目のあとも、先月に来たケリー国務長官のようには頭を下げることはなかった。

 深々と下げるとまるで謝罪したかのように見られるのでそうしなかったと思われる。何しろ原爆投下は「戦争終結を早め、犠牲者の数を少なくしたから、謝罪する必要はない」とのアメリカ世論、特に旧軍人層は熱烈にそう思っているので、それに配慮したのだろう。Cimg0605 しかし献花後のスピーチはアメリカ本国の広島・長崎への原爆投下正当化世論に対して巧みに配慮しつつも、広島への原爆投下が文明史的に見てどうなのかを考えさせる素晴らしいものだった。Cimg0612_2 Cimg0611 科学技術の発達が近代文明を支え、進歩させてきたが人殺しの道具まで進歩させてしまった。Cimg0615 今日の報道(中継)の解説を聞いていると、オバマ大統領が「核廃絶」だけにこだわっているかのように言っていたが、オバマ大統領は{核無き世界」からさらに一歩踏み込み、「戦争のない世界」への希望を訴えていたのである。Cimg0616 約20 分だったが、さすがに演説の名手と言われる大統領だけあって時間の長さを全く感じさせなかった。

 しかしそのあとに立った安倍首相の演説内容は、オバマの広島訪問の主要課題を「核廃絶」だけに限定していたのが残念だ。

 そして去年の米国上下両院協議会での「先の大戦で米国の夢ある若者の犠牲をはじめすべての米国戦争犠牲者へ哀悼の意を表しました」とお返しの意味で述べていたが、オバマ大統領の演説は「敵味方を超えてすべての犠牲者への哀悼」であり、日常の暮らしが一変してしまう「戦争そのものの廃絶」を強くにじませるものであったのである。

 伊勢志摩サミットに参加する前にオバマ大統領は、これも現職大統領として初のベトナム訪問を敢行しているが、あの愚かなベトナム戦争への謝罪の意味もあり、そこでも戦争廃絶を訴えていたのではないかと想像する。

 

 オバマ大統領の20分に対して、安倍首相のは10分足らず。別に時間の長さが演説の是非を決めるというわけではないが、明らかに「格の違い」を見せつけられた。

 オバマ大統領の今回の「広島アピール」は、2009年の「プラハ宣言」を上回る格調の高いものだったと思う。もう一度ノーベル平和賞をあげてもいいくらいだ。





























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