南海トラフ地震発生の可能性
昨日から今日にかけて「南海トラフ」「中南海トラフ」「東海トラフ」のひずみに関するニュースが相次いだ。 今回のひずみを発見したのは海上保安庁の研究チームらしい。
独自の調査機器を使用してトラフ(海溝)近くの海底15か所の基準値の変化を9年間にわたって調べた結果、
最大の南海トラフでは年に5.5センチ、東海トラフでも5センチを超えるひずみ(具体的にはフィリピン海プレートの沈み込みによって日本列島の乗っかっているユーラシアプレートが海底深く引きずり込まれている状態)が見られたという。
世界初の観測だそうだが、地震大国というか「プレート集合大国」日本列島ならではの調査であり、これをもとに、これから発生するであろう「ひずみの解消」、すなわち大規模な海底地震に対する備えが求められる。 今回のひずみの観測で、トラフ内部の想定震源域に大きな誤差が表れていることが検討課題になり、政府系の地震災害対策会議では、震源域を見直す考えが出ているという。
図から明らかなように今度の調査で、昭和東南海地震(1944年)と連続して起きた南海地震(1946年)の震源域よりもさらに南の海底でのひずみがかなり大きいことが分かり、政府は最大級のくくりで南海トラフ大地震の震源域を大きく広げた。
高知沖のひずみが速度・分布範囲ともに最大だが、気になるのが九州と四国の間の日向灘北部のひずみである。これはおそらく想定外のものだったろう(日向灘南部を震源とする震度4クラスの地震はこれまで結構多かった)。
しかもこの海域の北側には4月の熊本地震の発生源となった活断層を含む「別府・島原地溝帯」(大きく見れば、日本列島の中央構造線の一部)があり、今回この地溝帯が活発に動いているとみられる。
心配なのがこのひずみのすぐ目と鼻の先の愛媛県佐田岬半島にある伊方原発だ。現在停止しているのはよしとするが、地震によって原子炉建屋の崩壊があれば非常に厄介である。早急に廃炉解体に着手すべきではないかと思う。
鹿児島県では薩摩川内市の九州電力川内原子力発電所が再稼働してしまったが、これも早いうちに営業停止・廃炉へもっていくべきである。
東海トラフ地震では静岡県の御前崎にある浜岡原発がやられる可能性が高い。現在停止しているが、これも伊方原発同様廃炉への手続きを進めてもらいたいものだ。
平成に入ってからの日本列島は大揺れに揺れているからである。 南海トラフ地震で震度7、マグニチュード9クラスのが発生したら、死者33万、被害総額220兆円とする推定もあるが、これには原発崩壊による被害はカウントされていない。
東北大震災による福島原発事故では、現地の人たちの死者はほとんどないにもかかわらず、着の身着のままでいまだに故郷に戻れない約10万の人たちが出ている。
津波によって地域や人身に大被害を蒙った東北三陸地方の人たちでさえ5年が経って次第に旧に復し始めているが、福島の原発被害地ではもとのまま。汚染の除去と言っても 肝心の原発内部の溶融した炉心の解体はおろか、除染で生まれた汚染土壌の処分さえ目途が立っていない現状なのだ。
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