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対露平和条約はいつ?

 欧州を歴訪して来た安倍首相はロシアのプーチン大統領との親密さを印象付けたが、結局プーチンの訪日を招請しきれなかった。

 北方領土の問題は又しても棚上げになった上、最近ではロシア側の北方領土への優遇的な移住策が明らかになり、いよいよ日本への帰属は遠のいた。Cimg0157 今朝のNHK「日曜討論」では、その点について4人の識者が出演して意見を述べた(画像は当番組から)。Cimg0151 ロシアは新たな法律を作り、極東及び北方領土へ移住を希望するなら、1ヘクタール(3000坪)の土地を無償提供し、5年間農地などで使えば正式に所有を認める――というもので、やはり「盗っ人ロシア」らしい厚顔無恥な政策を勝手に取り決めている。

 これでは「北方領土の帰属」を話し合うどころか、ロシア併合の既成事実を積み上げているわけで、日本は強く抗議すべきだろう。安倍首相もプーチンとの親しい関係など演出せずに、毅然と反対を表明すべきだ。Cimg0150 学者として最もロシア関係に精通している法政大学の下斗米教授はこの事態を憂慮するが、平和友好条約締結への道筋は見えてこないとする。Cimg0160 キャノングローバル経済研究所主幹で中東での外交官経験者・宮家氏は、お得意の中国脅威論を前提に、ロシアが中国に対して脅威を感じれば日本との連携に前向きになるだろうが・・・とあまり期待していない。Cimg0161 最後に日本の対露外交の今後を問われた京都産業大学の東郷和彦氏は、それは現時点ではよくわからないと判断を保留した。

 この東郷和彦氏は外務省の欧州局長を最後に退任した人で、父も外務省、そして鹿児島出身の祖父・茂徳(しげのり)は、戦前戦後にまたがって外務大臣を務めた人物である。

 ソ連のスターリン時代に、英のチャーチル、米のルーズベルトとヤルタで密約を交わした結果が現在の北方領土問題(別の言い方をすればソ連の北方四島占拠問題)の根底にあり、その密約あるがゆえにアメリカは「シベリア抑留問題」も「北方領土問題」についても一言も日本への肩入れを表明しないのである。

 沖縄が日本に返還された時点で、アメリカは北方領土に対して「日本に帰すべきだ」と言わなければならなかったのに、ソ連を刺激することを避けたことが今日までソ連(ロシア)の占拠を許す結果になったのである。

 とにかく、アメリカは北方領土に対しては固く口を閉ざしたままだ。

 極論に聞こえるかもしれないが、日本が(トランプ大統領候補の言うように、米軍在留の経費をもう支払わないことも理由になるが)自分の国は自分の国で守るとして米軍の撤退(日米安保の破棄)を願えば、ロシアも中国も対日軟化政策をとってまずは経済的な側面から接近してくるに決まっている。

 そうしたら、ロシアは次に平和条約を結ぼうとし、その一環として北方領土四島の返還を申し出てくる可能性は高まるだろう。たぶん経済的取引が交換条件になるだろうが・・・。

 日米同盟(具体的には安保)が無くなったら、中国がロシアが攻めてくる――と考えるのは完全に対米従属的洗脳に陥っている証拠だ(日米安保中毒と言ってもいい)。

 対米従属70年、ああ情けない。もうここらで仕切り直し、日本独自の世界の民生安定のための国是(外交目標)を定めたいものである。

 【追記】

 午後の読売テレビ「そこまで言って委員会」を見ていたら、次の設問があった。

 ――熊本地震で米軍が沖縄基地のオスプレイを出動させて救援物資を届けたが、あれはどう思う?

 というもので、タイムリーな質問だった。Cimg0175 8人の回答者のうち、田嶋陽子一人だけが、Cimg0163 「意味がない。自衛隊で十分だ」とし、後の7人は「意味がある。当然だ」という結果になった。

 田嶋陽子はもともと自衛隊の存在すら容認しなかった口だが、ここへきてようやく災害出動する自衛隊は認めたらしい。田嶋陽子に限らず、昔の社会党の支持者も今どきはもう「自衛隊は違憲だから無くせ」という「金科御九条」論者はいなくなったろう。

 ただ、田嶋陽子があの共和党のトランプ米大統領候補を意識し、司会側に立った井上和彦という人物に、「あのオスプレイ出動の経費を日本が払うとしたらいくらなのか?」と訊いていたのにCimg0162 井上和彦が答えられなかったのはおかしい。

 その点こそトランプが問題にしたいことなのだ。なぜ自衛隊でも十分にできるのに、わざわざ米軍がコストを掛けて出動する必要があるのか――このトランプの考え方に賛成者の誰もがまともに答えようとしないのは解せない。

 日本人の多くは米軍駐留をまるで親が子を守ってくれているようなもので、このような災害時にも助けてくれるのが当たり前――と(まさに上の7人のように)思っているが、世界的な目で見ると全くおかしいのだ。

 何で立派な独立国が内部に他国の軍隊を駐留させて、「守っていただいている。災害の時も助けてくれる。」と、恬として当たり前と感じているのだろうか? 日本はまだ独立国ではないのか?

 トランプはこの国際的な非常識を日本に問い掛けているのである。

 今日の「そこまで言って委員会」の論議を見ていると、まるで「対米従属委員会」のようだった。

 ああ、トランプが大統領になって日本人の目を覚まさせてほしいものだ!

 





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コメント

欧米は包囲網を強めています。
ちょっと、功を焦ったのでしょうか?
阿部さんは殿上人、策士では無いですから
無理からぬところでしょうか。

今年も残すところ10日、
いろいろ勉強させて頂きました。
ありがとうございます。
来年も元気で探訪したいと
願っています。

投稿: 今井より | 2016年12月20日 (火) 06時36分

半年前のこの「トランプ大統領待望論」がズバリ当たったようです。

 日本人は本気で目を覚まし、欧米植民地主義への反撃だった太平洋戦争が「日本の軍国主義の狂気横暴でしかなく、超大国アメリカに愚かにも挑んだバカな無謀な戦争」という考え方を払しょくしなければならないと思います。

 安倍首相はこれまでのどの首相より外交に精力を注ぎ、右から左まで(たぶんアメリカの監視や指導を無視して)世界中を飛び回っており、これはこれで評価できます。

 戦後70年もの「対米従属当たり前路線総決算」への「触媒」を果たす人物に違いありません。

 そのためにもあともう一歩、日米安保破棄を口に出してほしいものです。

 これはアメリカ内部の「日米同盟で日本を操り、封じ込めておく」政策に抵触し、安倍首相の首が挿げ替えられる危険性は十分ありますが、安倍さんができるかどうか、自分の政治的生命と引き換えにそうする覚悟があるかどうかにかかっていると思います。

 しかしすでに安倍首相はそのアメリカの「日本封じ込め政策」を破ってきていますから、「まさに」あと一歩でしょう。

投稿: kamodoku | 2016年12月20日 (火) 10時58分

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