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中国vsフィリピン

 フィリピンが訴えていた南沙諸島をめぐる領有権抗争で、オランダのハーグにある国際仲裁裁判所は、中国側の訴えを完璧にしりぞけた(画像は読売テレビのウィークリーエンドから)。Cimg1496 中国の「南沙諸島は古来から中国の領土であった。埋め立てのどこが悪いのか?」との主張には法的根拠がなく、さらに岩礁を埋め立てて人工島を造成しても島ではないから周辺の海を領海だということはできない――と判定した。Cimg1505 中国側は「判決は紙くずだ。無視する」という姿勢を貫いている。Cimg1491 何しろ中国は自国の都合のいいように「九段線」という領海範囲を勝手に決め、その中にある西沙諸島も、その南に広がる南沙諸島もその線引きの中にあるから俺のものだ――として周辺諸国の抗議を無視して着々と両諸島に人工の建造物を作っているのだ。

 ベトナムやフィリピンの漁船などが近づくと、巡視船が体当たりなどを仕掛けて追い払うという手荒いことをしている。

 今後このようなことが起これば、ベトナムもフィリピンも訴状を出して国際裁判にかけることが可能になったわけである。Cimg1502 フィリピンの外務大臣は「自制を求める」と会見し、Cimg1503 アメリカも「両国がこの判決を受け入れ履行しなければならない」とさっそく声明を出したが、しからばさらに――南シナ海域での中国による人工物の撤去を求める――というような強烈な物言いをしてもよさそうなものだが、そこまでは言おうとしない。

 おそらくそこまで言ってしまうと、中国がさらに硬化し、「じゃあ、手持ちの米国国債を売りまくってしまうぞ。いいのか!」と逆に恫喝することになる。そうなると米国としては国債の大暴落を招くので腰が引けているのだろう。

 もうすでに国際的な資金の流れは、体制は違うとはいえ米中間にほぼ国境はなくなっているのだ。ただ違うのは米国の国際金融を握っているのはロックフェラーを代表とする民間のユダヤ財閥だが、中国は共産党財閥つまり「国家金融」であるということである。

 日本に来て「爆買い」する連中も、アメリカで不動産を買いあさって共和党大統領候補のトランプを喜ばせているのも、みな独裁政党共産党の息のかかった連中ばかりである。アメリカは上位5パーセントが国富の90パーセントを握っているというが、中国では上位1~2パーセントがそうであるようだ。「共産主義」のスローガンはまさしく全くの「茶番」である。中国の多くの人民が気の毒で仕方がない。

 そもそも共産党という独裁政党がなければ、例えば中国革命によって成立した「三民主義」の孫文政権が継承発展していれば、こんなにあたりかまわず恫喝を振り回す独裁中国にはならなかったのだが、国際連盟脱退後の日本の対中国戦争で孫文を継承する汪兆銘政権(南京臨時政府)が立ち上がりかけたのに共産主義を標榜する毛沢東の作戦によって、より一層国民党軍との戦いにのめりこませられ、さらに英米の国民党への軍事支援もあって、結局日本は苦汁をなめさせられてしまった。

 日本の敗戦後の1949年10月にその毛沢東共産党政権が成立するが、翌年、英国は何と共産中国を承認してしまう。戦時中は日本軍と戦い戦後は毛沢東紅軍と戦っていた国民党政府はもう御用済みとばかりの、「ヌエ的な、二枚舌的な」英国の変わり身の早さには驚かされる。

 それから22年後の1972年にピンポン外交から発展して国務長官キッシンジャーの御膳立てにより、当時の大統領ニクソンは米中共同宣言を出して共産中国を承認し(同時に国民党政府=台湾は安全保障理事会常任理事国であったのに追放され)、以後、米国の資本がドドッと共産党独裁政権下の中国大陸に入って行き、今日の「独裁国家でありながら共産党主導の資本主義」というわけのわからない体制として経済発展をしてきたわけである。Cimg1507 その「共産党万歳!ピンハネ資本主義万歳!」の中国が最初に南シナ海に進出したのは1995年のことだそうだ。

 ピナツボ火山の大噴火により米軍基地が閉鎖され、さらに当時のフィリピンが米国との二国間軍事同盟を解消したのが、中国の海洋進出の大きな要因だった――とも聞くが、それは直接的な要因ではないだろう。当時のアメリカ大統領は民主党のクリントンで、伝統的に民主党政権は軍事力行使を好まないので、むしろそっちのほうが要因として大きい。

 いま大問題になっている南沙諸島の人工島建設は今の民主党オバマ大統領の時代になっての話であり、こちらもオバマの軍事力行使抑制政策の間隙を突いたものだろう。Cimg1509 それにしてもオバマ大統領は南沙諸島の中国進出に対しては後手後手に回っている感がある。

 すっかり軍港や滑走路が出来上がってからの「航行の自由作戦」もないだろうに。

 やはり、アメリカ側に「中国を恫喝すると大変だ」という理由があるとみてよい。米国国債の大量放出や米国資産の凍結など向こうがどんな手を使ってくるかわからないからだろう。

 オバマは強い一手を出せないでいるうちに任期がおわりそうだ。一応「初の現職大統領としての広島訪問」という花道は飾ったので、あとは次期大統領に「頼みまっせ」ということになったようだ。いや、はや・・・。



















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