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トランプが吼えた

 昨日のNHK午後9時のニュース9で、トランプ次期米大統領が公表したメッセージ動画において、「就任初日に発表する諸政策の中で、TPPの離脱を表明する」と述べていたことを報じた。

 このTPP離脱についてはトランプの大統領指名選でも当日の選挙戦でも公約の柱の一つで、もうすでに全世界周知の考え方であるから衝撃度はだいぶ緩和されているが、やはり「やばいな、本当になりそうだ」というのが、自民党(の中のアメリカ追随主義者)を中心とするTPP推進派の本音だろう。

 アメリカではすでにTPPに先行した取り組みである域内完全自由化を謳うNAFTA(北米自由貿易協定)によって、一部超金持ち資本家層とファンドが大儲けした以外は大方の国民にとっては逆に生活に苦しむようになってきている。中でも同じように一部の大企業と資本家のみがいい目を見て国民に貧富の格差が生まれたメキシコでは、困った人たちがアメリカへ大量に渡るようになった。不法移民も後を絶たない。

 さらに30年も前から中国からの洪水のような工業製品が安価に輸入されて国内の工業も圧迫を余儀なくされ衰退の一途をたどっている。

 これらのことを十分に知っているトランプは、格好のいい、「自由貿易で国民に物品への選択範囲が広がってハッピーになる」などという自由貿易協定の宣伝文句はほぼまやかしに近いと思っている。

 アメリカ追随主義者は今度のトランプの言うような、こういったアメリカの実情や本音は聞きたくないらしい。アメリカはいつでも豊かで生きるための選択度も高く、頑張れば「プール付き一戸建て」のゴージャスな暮らしが得られる国だ(要するにアメリカンドリームだ)と信じたいらしい。

 おまけに、アメリカの駐留軍が日本を守ってくれているのだ。いなくなるなんて考えもつかない――としていたい人たちである。日本はアメリカの被保護者でいいと思っている人たちである。

 トランプはそのような幻想に近いアメリカ讃美者については困惑を隠せないでいるのだろう。

 ――もういい加減に自分のことは自分でやれよ。優秀な自衛隊もあり、金も持っているんだろう。必要な武器だけは売らせてもらうが、それをどう使うかは自分で考えてくれよ!

 これが国内が危殆に瀕しているトランプをはじめとするアメリカの本音で、フィリピンのドゥテルテ大統領ほどではないだろうが、まずは強権をもって国内のタガを絞め直そうというのが次期大統領トランプの「アメリカファースト」政策だろう。

 トランプは日本が駐留経費の大幅な上乗せをしない限りは軍隊を引き揚げると言っているがこれも真実臭くなってきた。大いに歓迎だ。もう米軍は引き揚げてもらって、日本は日本の軍隊で守るようにしよう。

 第一、国連憲章上、二国間の軍事同盟は否定されているのだ。国連憲章では集団的自衛権により多国籍による共同戦力は認められてはいるが、日本が国連に加盟した1951年(発効は翌年)以降は、国連憲章適用国になっているので、それ以降にも存在している「日米軍事同盟」は国連憲章上は「違法」なのである。

 自民党が集団的自衛権を振りかざして安保関連法制を成立させたが、この集団的自衛権適用の前提は二国間軍事同盟のないことが必須であった。つまり日米同盟を破棄したうえでなら国連憲章上の集団的自衛権を振りかざせるのであり、そうしないでアメリカとの二国間同盟を結んだまま突っ走ったのはおかしい。アメリカ軍の配下に入ったようなものだ。

 目を覚ませ! アメリカ追随主義者。
 

 

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