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沖縄米軍北部訓練場の返還

 沖縄駐留米軍の北部訓練場7500ヘクタールのうち半分強の約4000ヘクタールが返還され、今日22日に返還式典が行われた。

 沖縄米軍トップのニコルソン調整官はじめ、駐日大使のキャロライン・ケネディ及び日本政府からは稲田防衛大臣と菅官房長官などが出席したが、翁長沖縄県知事は参加せず、むしろ抗議集会に出向いていた。

 喜んでいいはずの返還なのになぜ素直に出席しないのか――との疑問が湧くが、しかし返還の見返りとして半分に縮小された北部訓練場はオスプレイの訓練に使うべくヘリパッドが6つも新しく造成されている。

 いくら4000ヘクタールも返されたのだから有り難いと思えといわれても、そう簡単には喜べまい。

 北部訓練場に近い高江地区はオスプレイの飛行航路の至近距離にあり、住民は騒音と墜落の危険性とに悩まされるだろう。


 沖縄の駐留米軍の仮想敵国は第一が中国、第二が北朝鮮、これに若干はロシアも加わるのだが、やはりなんといっても中国に対する防衛だ。

 しかしオバマ政権では対中国融和政策で、その間隙を突くように中国は南シナ海域で勝手な行動をとり、ついにスプラトリー環礁上に軍事施設を構築してしまった。

 その間アメリカは手を拱いていたと言ってよいが、日本側の対米追随主義者はなぜ声を上げて、「アメリカ様よ、中国が南シナ海で国際法違反の勝手なことをしているが、あれをどうにかしてもらいたい」と注文を付けなかったのだろうか。

 こういう筋のある注文でも、「アメリカ様の御意向ならしょうがない」と何もしないアメリカに対して「ご無理ごもっとも」と引っ込めてしまう――これも対米追随主義者のサガだろうか。情けない話である。

 アメリカは対中国制裁など口に出すこともできないのだから仕方がない。口に出したが最後、中国はアメリカ国債の大量売りを仕掛けて大幅下落を演出するだろうからだ。下手をすると、ドル基軸体制すら揺らぎかねない。

 アメリカが日本を守ると言っても、最大の仮想的国家中国とは経済的には日米同盟が霞んでしまうほど強固な「キズナ」のもとにあるから、迂闊に制裁などできないでいる。だから「自由航行作戦」などというおためごかしで済ませているのだ。

 本当に日本を中国の脅威から守るのであれば、米軍の寄港基地を尖閣諸島に設けなければ実効性はない。ついでに言うと、本当に北方領土4島を日本の手に返したいのならば、知床半島および根室半島に米軍基地を設置してにらみを利かせたうえで返還交渉に臨むのが筋だろう。

 しかしながら、英米と旧ソ連とは太平洋戦争中に対日密約であるヤルタ協定およびポツダム宣言でソ連に対して、「日ソ中立条約は破棄し、日本に侵攻しても構わない。」と約束してしまった。これがプーチンをして「北方領土は第2次大戦の結果ロシアのものになった。領土問題は存在しない」と言い張る根拠になっている。

 1955年に鳩山一郎らが対ソ共同宣言を発表し、平和条約締結後に2島はすぐに変換するとの合意があったのに、結局、日米安全保障条約の存在がネックになってずるずると今日に至っている。そのことをプーチンはよく分かっているので、安倍首相がいくら力んでも彼にとっては「どこ吹く風」なのだ。


 北部訓練基地半分返還の話題からずれてしまったが、北部訓練基地どころかその他不必要に多い米軍基地。これが全面的に日本返還されたら、自衛隊をどう配備するのか――そういったことももうはっきりと視野に入れておきたい。日本は日本人自身の手で守るのが筋だからだ。

 沖縄に行く前に安倍首相と面談したケネディ駐日大使は「返還でより一層日米同盟の絆が強くなり、ますます発展していきたい」というようなことを述べたが、返還そのものはアメリカ側の日本へのプレゼンスが若干ではあるが縮小することだから、リップサービスだろう。


 日米(安保)同盟を解消し駐留基地全面返還の暁にこそ、本当の日米協調、日ロ協調、日中協調が始まると思うのである。その際、国連憲章が改正されておらず、日本が相変わらず53条国(旧敵国)のままであるとしても国連には加盟したまま、「武装永世中立」を宣言してしまえばよい。いくら英米仏中露の安全保障理事会常任理事国が拒否権を発動しても構わない。彼らおよび国際社会に何ら直接の害的影響を与えないのだから文句のつけようがないだろう。
 

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