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金正男の暗殺

 来るものが来た――というのが第一の印象である。

 北朝鮮は故金正日(キム・ジョンイル)の長男である金正男(キム・ジョンナム)を、女性二人を使って毒殺した。

 場所はマレーシア空港で、たくさんの人が行き交っているような公衆の面前であった。

 すでにその女たちは逮捕され、キム・ジョンナムの遺体はマレーシアで司法解剖されるらしいが、北朝鮮のマレーシア大使館(領事館?)職員はマレーシア当局に対して不満を漏らしているそうだ。

 毒殺であることは空港内の監視カメラの映像でほぼ断定でき、司法解剖によって毒の正体がはっきりし、その入手ルートをたどってみれば、大方の推測はつくはずだ。

 間違いなく計画的な暗殺で、北朝鮮当局(ということは金正恩)の差し金によるものだろう。

 それにしてもあのような場所で二人の女性に白昼堂々と殺害させるという手口には腑に落ちない面もある。

 まず、金正男が護衛もつけずにあんな場所にいたのが不可解だ。あのような人の多い場所で単独でいたというのであれば、当然静かで人通りもないような場所でも単独だったのであろうから、そういう人目につかない場所で殺害すればもっと簡単だったように思える。

 それとも逆に、まさか人の姿の多い空港の待合ロビーのような場所で襲われることはないだろうと、金正男が必ず油断することを想定して犯行に及んだのだろうか?

 いずれにしても金正男の暗殺事件は起き、二人の実行犯は捕まった。もう一人、北朝鮮国籍の工作員のような男も捕まったらしいから、真相はおいおい分かってくるだろう。

 これがまさしく暗殺事件、つまり金ファミリーの本来なら金正日の筆頭後継者であった男を抹殺する事件であったとしたなら、これを契機に金正恩独裁体制はますます専制度を高め、ファミリーはもはや機能せず、崩壊への大きな一歩になるだろう。

 金正恩暗殺、もしくは亡命への一里塚が今度の金正男暗殺事件ということである。単なる「痴情」による殺害ではないことを祈るばかりだ。

 

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安倍・トランプ会談

 安倍首相とトランプ大統領との正式な首脳会談が行われた。

 アメリカのトランプ大統領の官邸とフロリダにあるトランプの別荘で2泊3日の日程だったという。

 とにかく、トランプ大統領の歓迎ぶりは尋常ではなかった。

 握手どころかハグをたっぷりと交わし、親密さをアピールしていた。

 食事会・ゴルフ会を共にして始終和やかだったという。

 会見でもにこやかで「日本の言い分は100パーセント受け入れる。シンゾーは気の合う信頼できるパートナーだ」と大持ち上げだった。

 それもそのはずで、何しろトランプ大統領が日本による経済損失を吼えただけで、ソフトバンクの孫正義社長は「5兆円規模の投資をして何万かの雇用を生み出しますよ」と申し出、トヨタの豊田章夫社長は「1兆円規模の投資で数千人のアメリカ人を雇いますよ」と来たわけで、(トランプの)笑いが止まらないとはこのことだろう。

 こういった「露払い」を日本を代表する名立たる企業のトップがしてくれたおかげで、トランプの安倍首相に対するお愛想が生まれていることを忘れてはならない。

 日本のメディアはとにかく国防長官はじめ大統領までが「尖閣諸島は日米安保5条の適用範囲にある」といったことを大きく取り上げ、また対米すり寄りの評論家たちもほっと一安心というが、トランプ大統領が選任した国防長官はじめ対外政策のブレーンたちに対中強硬派が多いことに気を付けなければならない。

 中には4,5年後にアメリカは中国と事を構える、つまり一戦を交えるだろう――と公言するブレーンも含まれている。これには、要注意だ。

 その矛先は尖閣諸島ではなく、南シナ海の南沙諸島などで構築している中国の軍事基地が標的になるだろうが、もし米軍が攻撃した場合、日本も「安保関連法案成立」によって当然軍事力を提供しなければならなくなる。

 ブッシュ大統領(一世)の始めた湾岸戦争に、日本が軍事貢献をしなかったことで巨額の戦費を請求されたが、あの時は金だけで済んだが、今度はそういうわけにはいかなくなる。

 自衛隊も堂々たる軍隊として、南シナ海での戦闘に加わざるをえなくなろう。

 今度の日米会談での両首脳の共通の意見「日米同盟はより強固に、完璧にする」という趣旨からすれば、日米は運命共同体(突っ込んで言えば、日本はアメリカの一部。特に軍事はアメリカ軍の下請け)になったということに他ならないからだ。

 こんな日本に誰がした――と後悔しなければよいが・・・。

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高隈山の雪景色

 今冬最大の寒波襲来との報道の通り、2月9日から始まった北西よりの強い寒波が南九州まで南下し、一昨日から今朝にかけて山岳地帯に冠雪をもたらした。

 1月にも一度は冠雪があったが、今回は鹿屋の中心部からでもはっきりと真っ白な稜線が望まれた。

 あと2,3日は寒い日が続くので、遠目にも雪を被った高隈山の冬景色が楽しめそうだ。

 (※このブログでは画像をアップできない。ホームページ「鴨着く島(かもどくしま)おおすみ」の「鴨着く島ブログ」リンク画面で確かめてもらいたい。)

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マティス国防長官の来日

 トランプ政権下で国防長官になったマティスが来日し、首相及び防衛大臣と会談した。

 会談後の記者会見で、マティス国防長官は安全保障条約に基づく米軍駐留経費について「ほかの同盟国での駐留経費支払いの模範である」と、日本側の負担を評価し持ち上げた。

 つまり、トランプ大統領が選挙戦の最中から言っていた「駐留費の同盟国による全額負担」からはだいぶトーンダウンし、政府もほっとしているところだろう。

 また、尖閣諸島についても「安全保障上米軍の守備範囲に入っている(から心配するな)」と述べた。これはケネディ女史が駐日大使に赴任してきたときも述べており、事新しいものではないが、今度の「狂犬」といわれている国防長官から直々に言われて、稲田防衛大臣も安堵しているように見える。

 そのためか稲田防衛大臣は「日米同盟は東アジア安定のかなめであり、ますます強化し、深化させていかなくてはならない」と安倍首相よりもさらに日米同盟への期待感をあらわにした。

 中国の南シナ海への軍事進出を念頭に置いたものだが、果たして日米同盟が無ければさらに危うくなるのだろうか?

 尖閣諸島は5年前の民主党政権時代にそれまで民間人が所有していたのを政府が買い上げて国有地つまり「日本の領土にした」のだが、その際に中国が妨害したり、口を極めて非難をするようなことはなかったことを思い出す。

 それまで自民党政権は尖閣諸島に対して「及び腰」であった。それは下手に手を出すと中国から猛烈な反発を食らい、下手をするとまた国民暴動のようなことになって日本資本の経営する事業所などが打ち壊されたりするのが怖かったのだ。

 しかし、民主党の野田政権は国有化を断行し、中国の反発をもうまく回避した。これが自民党政権だったらそうはいかなかったはずだ。何故か?

 これについては、自民党の対米すり寄り外交が中国にとっては気に入らないのだと考えるしかない。

 どうも中国問題に関しては「強固な日米同盟」の存在が災いしている。

 それじゃあ、日米同盟を廃棄したらどうなるのか?

 米軍の守備範囲を離れた尖閣諸島はたちまち中国軍の進駐するところとなり、その「魔の手」は南西諸島から沖縄にまで伸びてくるのだろうか?

 しかしよく考えてほしいのは、そのことが中国に与えるダメージの大きさだ。中国が尖閣諸島を「昔から中国のものだった」と強弁して占領した段階で中国は国際的に孤立しはじめ、ましてや沖縄の南西諸島に手をかけたら、もう没落の始まりだろう。

 もちろん日本の自衛隊が出動して水際で戦火を交えることになるが、中国にとっては何の得策もない侵略に過ぎない。大義名分論でいうと、まったく不必要な侵略なのは分かりきったことだ。まず国際世論が黙ってはいないだろう。

 日米同盟廃棄後の「中国が攻めてくるぞ」的なとらえ方は全く当たっていないし、恐怖心をあおるメディアはあるだろうが、対中関係はむしろ良好になると僕は思う。北朝鮮の問題もこれを契機に一気に片付くかもしれないという期待感の方が大きい。

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