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2020年問題

 「2020年問題」といっても東京オリンピックのことではない。

 安倍首相が5月3日の憲法記念日に講演した中で、「2020年までには9条の中に自衛隊の存在を明記する」と述べたことを指している。

 9条は2項から成り、国際紛争解決の手段としての戦争を放棄することと、そのための戦力を持たないことからなるが、第2項の「戦力を持たない」を杓子定規に解釈して、「非武装のことだ」と解釈してきたのがかっての社会党を中心とする革新勢力であった。

 しかし、2項目の「戦力」とは国権の発動としての戦争、つまり国際的な紛争にかかわることに対して「紛争に至らないための政治的な努力=外交」をしないで、力づくで紛争を解決しないよう、特に戦勝国アメリカの強い要請の下で定められたものである。

 要するに、英米等の戦勝国に刃向かった日本が二度と再び刃(やいば)を向けないようにするための規定であり、これは英米首脳の取り決めた太平洋憲章に発する戦後の国際関係諸規定がそのバックボーンになっている。国際連合はしたがって「戦勝国の、戦勝国による、戦勝国のための機関」であり、原加盟国(1942年に出された連合国宣言同意国=英米のお仲間たち)のいわば「集団的自衛権連合」でもあった。

 したがって戦敗国である日本は国連の規定する「集団的自衛権」の対象外であり、一見すると「日米安保」はそれの代替的な同盟に見えるが、日本が正式に連合国側と平和条約を結び国際連合の正式な一員となった以上は、二国間軍事同盟などありえないのである。

 安倍首相の目指す「9条への自衛隊(国防軍)の明記」は確かに必要だが、自衛隊(国防軍)の形容として「個別的自衛権に基づく」というのを書き加えれば「専守防衛」よりも国際法上は有効だろう。

 しかし、しかし、日米安保という「二国間軍事同盟」は国連憲章上でも疑義がある。憲章では国際紛争は安全保障理事会の論議と決議を経て平和的手段で解決するように定められているのであるから、「日本が何かあったらアメリカが助けてくれる」(トランプは「アメリカが何かあっても日本は助けに来ないとは、おかしな同盟だ!」とまくし立てていたが、これが本来の二国間軍事同盟だろう)というのは国連無視も甚だしいのである。

 まさか安倍首相の目指す自主憲法の第9条に「第三項 対外的な武力紛争が起きた場合はアメリカ軍に守ってもらう」なんてことを書き加えなければいいが・・・。

 「2020年までに憲法第9条に自衛隊の存在を明記する」などと小手先のことではなく、日米二国間軍事同盟である日米安保を廃棄して真の独立および中立国家を目指す2020年にしたいものだ。

 

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