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アメリカの悲劇

 アメリカでまた銃による大量殺人事件が起きた。

 ラスベガスで容疑者がホテルの32階から銃を乱射し、約400メートル離れたコンサート会場にいた観客のうち58人が即死し、負傷者は500人以上だという。容疑者の64歳の男は自殺したようだ。

 1年位前だったか、同性愛者のパーティ会場を狙った大量殺人があったことを覚えているが、アメリカではこういった殺人事件が後を絶たない。

 何しろ殺人事件による犠牲者の数は年間2万人(交通事故死は約3万人)で、人口10万人当たりちょうど5件の殺人事件が起きている国である。

 これを日本に置き換えると殺人による死者数は7000人ということになり、交通事故による死者数は1万人だが、実際には殺人事件で400人弱、交通事故では3000人強。殺人事件の発生率は日本の16倍である。こう比べると、アメリカ社会の治安の悪さが想像できる。

 アメリカの殺人事件の最大の特徴は銃が使われているということで、銃の入手が実に簡単だということが殺人を容易にしているのは間違いない。

 こうしたとき常に「銃の入手規制」が取りざたされるのだが、一向に規制がなされないのもアメリカ社会の特徴である。ここまでくるとアメリカの「病理」なのだが、今回もトランプ大統領は現地を見舞いながら、銃の規制については触れないで済ました。下手に規制しようものなら銃で暗殺されるのかもしれない。

 トランプの良き隣人・安倍首相が哀悼の意思を電話で伝えたようだが、その際に「我が国では銃刀法によって銃や刀が厳重に管理されているのでかなりの殺人事件が予防できている」――ということを一言いうべきだったろう。

 銃が規制されれば間違いなく殺人事件も被害者の数も半減できるだろうに、そうしないのは結局「世界の警察官」を自認して海外に派兵し、兵士の血を流させて来た罪深さを国民に直接嫌悪されまいとする為政者の忖度が働いているのだろうか。

 ソ連邦が崩壊して冷戦が終結してからアメリカは「世界の警察官」であることを止めたはずで、日本にたくさんの米軍基地を置いておく必要性は薄れたのに、歴代自民党政府は「米軍様、どうかいてください。日本の安全保障のために」と言い続けてきた。

 自分の国の治安悪化や災害、また「古き良き白人層の零落」などという問題山積みのアメリカは、トランプが言うように「アメリカファースト」で他国にしゃしゃり出る必要はない。地域の紛争は国連全体の「集団的自衛権」で解決するべきで、安倍首相もそこを言わなければならないのにトランプへのお追従が過ぎるのが残念だ。

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