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ノーベル平和賞と日本

 今年のノーベル平和賞に選ばれたのは「ICAN」、邦訳「核兵器禁止国際キャンペーン」というNGOであった。

 各国の核兵器反対組織と連携して活動している団体で、当然ながら日本の核兵器廃止を訴える被爆者団体ともつながりがあり、今回の平和賞授賞式にも招かれている。

 平和賞授賞後のスピーチに壇上に立ったのは、広島・長崎の被爆者団体の構成員ではないが、広島での被爆を経験し、現在カナダに移住しているサーロー節子さんという85歳の女性だった。

 本来なら、広島在住の被爆者で核兵器(実験)反対の団体の代表者が立つのがふさわしいのだろうが、高齢かつ英語でのスピーチは困難なことから、サーロー節子さんに要請が来たものだろう。

 そのスピーチの中で彼女は「一番つらい思い出は、広島に落とされた核爆弾によって4歳の甥が単なる肉の塊になってしまったこと」と言ったが、多くの聴衆の中には涙ぐむ人も見られた。

 彼女の怒りはもっともなことで、これを平和賞受賞式に参加しなかった核保有かつ国連安全保障常任理事国に特に聞かせたかっただろう。

 しかるにもっとも聞かせたい国は母国日本ではなかったか。

 日本は唯一の被爆国であることは世界周知のこと。彼女はその日本こそが率先して核兵器反対を唱える義務があると思っている。それなのに、7月の核兵器禁止条約の採択を見送ってしまったのだ(核廃絶の訴えは常々しているのに)。彼女は日本政府のこの矛盾には怒りを通り越して呆れかえっている。

 「アメリカの核の傘の下にいるから。アメリカに守ってもらっているから」というのが理由だが、世界の非核保有国からすれば、「バカな政府だ」と蔑まれている。いつまでもこんな宙ぶらりんな、外交上の一貫性の無さでいいのか?

 もう日米同盟という名の軍事・外交上の「二人羽織」は廃絶しよう。そうしないとロシアもこんな米軍に守ってもらっていると公言する日本政府とは平和条約を結ぼうとしないし、中国共産党政府も常にそんな日本に対するネガティブな物言いを取り下げないだろう。

 さらに国連安保理の常任理事国になろうなんて、米国との二国間軍事同盟を結んでいる以上、考えられもしないのに、平気でそう口にする安倍首相の頭の中身が不可解千万だ。もしかしたら米国の推薦でなろうとしているのか? 国連の成り立ちを知らないにも程があろうというものだ。なぜ旧敵国条項(53条)がいまだに削除されないのかを考えただけでも、分かりそうなものなのに。

 もっとも日米安全保障条約という二国間軍事同盟をを廃棄した上で常任理事国に立候補したとしても中国とロシアの両方かどちらかは拒否権を発動するだろうから、それでも無理だ。こんな国連なら脱退してしまえというのも一つの考えだが、それよりも何よりも「専守防衛力保有の永世中立国」を宣言して、「局外中立」を図るのが日本の生き方だ(もちろん国連からは脱退しない)。

 武力によらない平和外交を徹底するにはそうするのが最善だろう。世界中が大喜びするだろう(アメリカの軍部とアメリカかぶれの日本人及び「日米安保があれば軍事費が安上がり」論者を除いては)。

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