« ”微笑み外交”に満足? | トップページ | 初の「軍事偵察衛星」 »

3万年前からの地層

 鹿屋市吾平町の姶良川に架かる古市橋から肝付町高山方面への県道を200メートルほど行くと、両側から台地が迫って切り通しのカーブになっている箇所がある。

 去年の台風時の大雨でがけ崩れを起こし、いま年度末の改修完成に向けて工事が急ピッチで進められているのだが、のり面をきれいに削った結果、見事な地層が顕われている。

 上り坂なので道路と崖最上部との比高は平均で言うしかないが、目分量で平均は10メートル、のり面の長さは12メートルといったところだろう。

 ホームページ『鴨着く島おおすみ』の表紙に載せた現場写真で見ると、崖の最上部に近いのり面におそらく標高を一定に見通すためのものだと思うが、白っぽい板で✖点のように左右に直線状に打ち付けてあるのが見える。

 そしてその直線状の板に並行するようにオレンジ色の地層(幅は目分量で7~80センチ)が見えるが、あれが約7500年前に大噴火を起こした薩摩半島南部50キロばかりに位置する「鬼界カルデラ」由来の噴出物で、俗に「アカホヤ」火山灰と言われているものである。

 そのアカホヤ層は地表面から1メートル位と浅いものだ。その下には二つの火山灰層があるが、どちらも桜島由来の火山灰である。桜島がほぼ現在の姿になった約1万1千年前と、その何千年か前のものだろう。

 のり面の下半分は白い火山灰層だが、これが「シラス層」で、約27000年前の「姶良カルデラ」由来の噴出物である。大隅半島から宮崎県南部には相当な厚さで堆積しており、最も厚い所では100メートルに及ぶというから途轍もないカルデラ噴火による火砕流だった。

 また火山灰は偏西風に乗って、遠くは神奈川県の丹沢山塊でも5センチ位の堆積が見られるというから驚きだ。火山灰は拡散してチリ状になって空中高く舞い上がり、世界中を覆った可能性もあり、地球の気象に異変をもたらしたとも言われている。

 ところが、電信柱の向こうののり面の左右にシラス層が見えず、真っ黒い地層があるが、あれは大雨か何かでがけ崩れを起こしたのを埋め戻した新しい地層(?)だ。これはたぶん、昭和13年10月に大隅半島を襲って大災害をもたらした台風による大雨の時の鉄砲水的な土砂崩れの修復の跡だろう。

 先史時代の一万年単位の火山活動を示す跡(地層)と、現代に近い80年前の土石流災害の跡がコンパクトに同じ個所で見られるという非常に面白い眺めだと思う。

|

« ”微笑み外交”に満足? | トップページ | 初の「軍事偵察衛星」 »

おおすみウォッチング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ”微笑み外交”に満足? | トップページ | 初の「軍事偵察衛星」 »