万歳!トランプの野望否決

 今朝も強い霜だった。今冬9回目で、あと2回は確実に来るだろうから、降霜が年内に11回という初の二桁突破となり、これは極めて珍しいことで、まさに椿事に属する。

 椿事と言えば、21日(日本時間では22日)の国連総会において、米トランプ大統領の一方的な「イスラエルの首都をエルサレムとする」という表明に対して、国連緊急総会が開かれ、トルコなどの提案「アメリカのエルサレムをイスラエルの首都とする宣言に対する反対決議」が採択され、129対9(棄権35)という圧倒的多数で賛成採択された。

 アメリカのスポークスマンはこの決議に対して「国連への拠出金最大国であるアメリカは国連と反対を表明した国々に失望した。この日を忘れないだろう」との恨み節を恩着せがましく述べ、そうした国々への資金援助の縮小(引き揚げ)を匂わす発言をした。

 いったいなぜアメリカがイスラエルの首都を決定する権限があるのか、不可解だが、娘のイバンカの連れ合いでトランプ政権の一閣員でもある義理の息子がユダヤ教徒だそうであり、また昔、トランプが不動産王の頃に大損失をした際、ユダヤ財閥の出資で立ち直った経験から、大統領選挙時にも公約だったそうであるから、そうなのだろう。

 だが、いくら何でも他国の首都を決定するというのが分からない。イスラエルが決めてそれを支持するというのなら分かる。まるでイスラエルはアメリカの一部であるかのような表明である。不可解だ。

 でも日本が賛成に回ったというのは大いに評価できる。大国が小国の政策に容喙し、その国の首都を決めつけるというのはまさにその国の主権を踏みにじるものだ。

 日本の賛成の理由は「イスラエルとパレスチナ自治政府の二国間で解決すべき問題だ」というもので、至って常識的な見解である。万が一にもアメリカに追随して反対に回ろうものなら、「日本はやはりアメリカの言い成りだ」「日本はすでにアメリカの属国なのか?」などの批判を受けたことだろう。

 アメリカのスポークスマンが恨みを述べたような施策が本当になされたら、確かにアメリカの援助額が国家予算に占める割合の高い小国は大きな打撃になろうが、ことの本質はそういうところにはない。アメリカが拠出金を減らしたら、日本が拠出金でトップに躍り出るまでの話だ。

 それより、トランプはアメリカに反対して賛成に回った日本に対して、どういうことを言ってくるだろうか?

 もし「もう日本を守ってやらない。安全保障条約は解消する」と言って来たらしめたものだ。「ああ、望むところだ。自分の国は自分で守るさ」と言って、安保の自動延長を今年で断ち切ればよい。一方的な通告で済む。

 ただし、通告した年度から次の年度までは継続する。例えばこの12月30日に延長しないと通告しても、来年一年間は日米安保は継続するから、アメリカとの安全保障がなくなれば中国が攻めてくると思う人たちは、アメリカへ亡命すればよい。それだけの時間は十分にある。

 トランプの方から「賛成に回った日本は云々」、とごちゃごちゃ言って来るのが一番いい。こっちが延長拒絶をするよりはるかにいい形で、日米同盟は解消できる。

 その後、近い時期に「専守防衛力を保持(要するに武装)した永世中立を宣言」する。

 そうした上で、ロシアとの平和友好条約締結交渉をはじめとする日本独自の全方位平和外交路線を掲げ、武力によらない世界平和への道を進めばよい。それこそ世界が望むところだ。

 

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ノーベル平和賞と日本

 今年のノーベル平和賞に選ばれたのは「ICAN」、邦訳「核兵器禁止国際キャンペーン」というNGOであった。

 各国の核兵器反対組織と連携して活動している団体で、当然ながら日本の核兵器廃止を訴える被爆者団体ともつながりがあり、今回の平和賞授賞式にも招かれている。

 平和賞授賞後のスピーチに壇上に立ったのは、広島・長崎の被爆者団体の構成員ではないが、広島での被爆を経験し、現在カナダに移住しているサーロー節子さんという85歳の女性だった。

 本来なら、広島在住の被爆者で核兵器(実験)反対の団体の代表者が立つのがふさわしいのだろうが、高齢かつ英語でのスピーチは困難なことから、サーロー節子さんに要請が来たものだろう。

 そのスピーチの中で彼女は「一番つらい思い出は、広島に落とされた核爆弾によって4歳の甥が単なる肉の塊になってしまったこと」と言ったが、多くの聴衆の中には涙ぐむ人も見られた。

 彼女の怒りはもっともなことで、これを平和賞受賞式に参加しなかった核保有かつ国連安全保障常任理事国に特に聞かせたかっただろう。

 しかるにもっとも聞かせたい国は母国日本ではなかったか。

 日本は唯一の被爆国であることは世界周知のこと。彼女はその日本こそが率先して核兵器反対を唱える義務があると思っている。それなのに、7月の核兵器禁止条約の採択を見送ってしまったのだ(核廃絶の訴えは常々しているのに)。彼女は日本政府のこの矛盾には怒りを通り越して呆れかえっている。

 「アメリカの核の傘の下にいるから。アメリカに守ってもらっているから」というのが理由だが、世界の非核保有国からすれば、「バカな政府だ」と蔑まれている。いつまでもこんな宙ぶらりんな、外交上の一貫性の無さでいいのか?

 もう日米同盟という名の軍事・外交上の「二人羽織」は廃絶しよう。そうしないとロシアもこんな米軍に守ってもらっていると公言する日本政府とは平和条約を結ぼうとしないし、中国共産党政府も常にそんな日本に対するネガティブな物言いを取り下げないだろう。

 さらに国連安保理の常任理事国になろうなんて、米国との二国間軍事同盟を結んでいる以上、考えられもしないのに、平気でそう口にする安倍首相の頭の中身が不可解千万だ。もしかしたら米国の推薦でなろうとしているのか? 国連の成り立ちを知らないにも程があろうというものだ。なぜ旧敵国条項(53条)がいまだに削除されないのかを考えただけでも、分かりそうなものなのに。

 もっとも日米安全保障条約という二国間軍事同盟をを廃棄した上で常任理事国に立候補したとしても中国とロシアの両方かどちらかは拒否権を発動するだろうから、それでも無理だ。こんな国連なら脱退してしまえというのも一つの考えだが、それよりも何よりも「専守防衛力保有の永世中立国」を宣言して、「局外中立」を図るのが日本の生き方だ(もちろん国連からは脱退しない)。

 武力によらない平和外交を徹底するにはそうするのが最善だろう。世界中が大喜びするだろう(アメリカの軍部とアメリカかぶれの日本人及び「日米安保があれば軍事費が安上がり」論者を除いては)。

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核廃絶賢人会議

 広島県選出の衆議院議員で外務大臣だった岸田文雄氏の肝入りで立ち上げられたという「核廃絶賢人会議」が開かれている。

 去年の四月に開催されたG7伊勢志摩サミットで、外相会議の出席者がそろって平和公園の被爆記念塔に献花し、そのあとオバマ前大統領が米国大統領として初めて広島を訪れ同様に献花し演説したことは記憶に新しい。

 オバマ前大統領は欧州訪問の途中、プラハで「核廃絶宣言」を出しているが、今回の核廃絶賢人会議はその趣旨に沿ったものだろうか?

 7月の国連で「核兵器禁止条約」の会議にも採択にもアメリカを忖度して参加しなかった日本が、今回は「核保有国と非核保有国との間の橋渡しをして、核の廃絶に向かう道筋をつけたい」との思惑で招集をかけたということだが、案内を受けた非核保有国の中には疑問を呈する向きもあったようだ。

 というのも日本の立場はダブルスタンダードだからだ。

 アメリカという核保有国の持つ「核抑止力」(核の傘の下)が日本の安全を保障しているからそのアメリカの核を禁止してしまう条約は結べない――という日米安全保障条約を結んでいることによる結論が一つのスタンダード。

 もう一つは「日本は世界で唯一の被爆国であり、その非人道的な悲惨さを味わったがゆえ、二度と核兵器が使用されてはならないので、核の廃絶を目指す」――との被爆国の立場からくるスタンダード。

 後者のスタンダードを導いたのは「唯一の被爆国」ということで、その原爆を落としたのはアメリカだ。戦時国際法違反の非戦闘員を狙った非人道兵器原子爆弾の投下を実行したのは二国間軍事同盟を結んでいる相手国アメリカなのだ。

 非核保有国の中にはこの不可解な二国間同盟にも首をかしげる人たちが多かろう。

 反米的なアラブ人の間では「日本はなぜ残忍な仕打ちをしたアメリカに復讐しないのか?」といぶかる向きもあくらい原爆を落として無辜の国民を数十万人も殺したアメリカと、逆にがっちり手を結び「アメリカの軍事力で守ってもらった方が安上がりだから日米安全保障は必要だ」とのたもう評論家には開いた口が塞がらないだろう。

 新大統領トランプはそのあたりの経緯を知ってか知らずか、「日本が攻撃された時にアメリカが軍隊を出して助けるが、逆に我が国が攻撃されても日本は助けに来ない。こんな片務的な同盟関係があるか!」と率直に言い、「日本が助けに来ないのなら、日本は自分で北朝鮮の脅威に対処しろ、そのためにはアメリカから兵器をもっと購入せよ!」とまで言っている。

 こんなダブルスタンダードはもう廃棄するに限る。日米同盟は解消しないと、いつまでたっても日本は独自の外交力を発揮できない。それどころか米軍および武器商人の「おらが勝手な世界戦略」に巻き込まれていくことになる。

 日米同盟を解消して、多くの国との緩い同盟関係(非軍事的ネットワーク)を構築しよう。その前提としての「専守防衛力を保持した(武装した)永世中立国」を宣言しよう。

 核廃絶も核兵器禁止も、そうした上でリードするのなら、日本の果たす役割が世界の多くの国から所望されるだろう。

 

 

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両陛下与論島などをご訪問

 天皇皇后両陛下が11月15日から2泊3日で屋久島・与論・沖永良部島へのご訪問をされた。

 特に与論島・沖永良部島へは初めてのご訪問で、島民の大歓迎を受けられた。

 与論島では郷土の伝統芸能である「与論十五夜踊り」をご覧になった(ホームページ『鴨着く島おおすみ』のトップページにその時の写真を載せた)。

 平成天皇は即位以来、植樹祭等の行事を含めて日本各地を訪問されているが、このご訪問で日本各地を二巡されたことになるという。

 平成天皇が「退位についてのお言葉」を公表された時に、こういった日本の隅々にまで足を延ばされてそれぞれの郷土で住民が絶え間なく、生活はもとより、伝統的な行事や災害復興に助け合いながら取り組む姿を陰に陽に励ましてきたと述べられた。

 与論島という鹿児島でも最南端の小さな島まで回られたのは、昔の言葉で言う「やすみしし大君」を髣髴とさせる。

 「やすみしし」は漢字で書けば「八隅知し」で、「国内の隅々まで知っている」という意味で、最高の施政者に与えられた一種の義務感である(客観的に言えば統治能力である。だが、朝鮮半島の王様(ロケットマン)が一見して各地を訪問して民に拍手で迎えられているが、その実は自分の領域であるピョンヤン宮殿にすべての良いもの(富・軍事力・科学技術)を一方的に蓄えているのとは天と地の開きがある)。

 「やすみしし」という言葉が使われた(文書化された)最初のものは、古事記のヤマトタケルの下り(景行天皇記)の中で、尾張のミヤズヒメがタケルに対して「たかひかる ひのみこ やすみしし わがおおきみ」と歌ったのがそれだろう。

 万葉集では「やすみしし」が多くの長歌で使われている。最高の宮廷歌人と言われた柿本人麻呂の長歌はとくに有名である。

 「すべてのどんなに小さなことでも知っている。心に留める」というのが、日の御子である天皇に課せられた使命(みこともち)なのだということを今回の天皇皇后両陛下で改めて思わされ、そのことは少なくとも万葉集の時代すなわち奈良時代から連綿と続いている天皇の理想の姿でもあったのだ。

 

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トランプ外遊と北朝鮮問題

 アメリカ大統領トランプの初のアジア外遊が終わり、安倍首相も帰国した。

 去年の今頃、大方の予想を覆してアメリカ大統領に決まったトランプの元へ真っ先にトランプタワーにはせ参じたのが安倍首相だったのは記憶に新しい。その際にトランプの長女イヴァンカ(現大統領補佐官)にいたく気に入られたとかで、今回の彼女の日本訪問では格別のおもてなしをした。

 それもそうだろう、行政経験の全くない初のアメリカ大統領として父親が当選し、成ったはいいが右も左もわからないトランプ一家にとって、最上の同盟国日本の代表が駆けつけて祝福してくれたわけだからうれしかったに違いないのだ。

 娘のお気に入りは父親にとっても喜ばしい相手で、トランプは安倍首相に非常に親近感を抱いていることは間違いない。

 しかしそのことと日米関係の本質とはまた別の話だ。

 トランプは日本では「武器を買え」「自動車を買え」、中国では「航空機を買え」というような商談を成約するのがメインだったようで、中国では28兆円という規模の話をまとめたようである。

 こっちへ来てからはむしろ北朝鮮への挑発的な言動は避けていたきらいがあるが、安倍首相は「虎の威を借りるキツネ」よろしく、どのスピーチでも「北朝鮮へ最大の圧力をかけよう」とがなり立てていた。

 トランプは拉致被害者の家族とも面談したが、トランプに拉致問題を解決してくれなどというのは無理な話で、面談後の記者会見で家族会の誰もが「圧力だ、制裁だと息巻いても、北朝鮮との間に入って拉致問題の解決を誰かがやってくれないと意味がない」というようなことを述べていたが、その役割こそが安倍首相の立ち位置ではないか。 

 かって小泉首相が北朝鮮を訪問し、金正日と歴史的な会見をして拉致問題を認めさせて被害者の一部を日本に戻したわけだが、そのおぜん立てをしたのが当時官房副長官だったいまの安倍首相である。

 西郷さんが頑なに開国(国交樹立)を拒む朝鮮に対して特使として説得にあたろうとしたことがあった(遣韓論)が、西郷さんは命を捨てる覚悟で行こうとした。安倍首相に同じことを望むのは無理な話だろうが、せめてそのくらいの根回しはしておいたほうが良かったと思う。

 例えば、中国に対して「自分が交渉にあたるからセッティングをして欲しい」というような申し入れをしておけば、仮に軍事的な解決がアメリカの既定路線だとしても、「日本は最後の最後まで平和裏の解決を望んでいた」と評価されるだろう。

 それが、まるで虎の威を借りるキツネよろしく、アメリカの軍事路線を追認するような「北朝鮮に最大限の圧力を、制裁を」の一点張りでは、「やはり日本はアメリカの言い成りなのだ」との国際的評価で終わってしまうだろう。

 

 

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希望の党の惨敗

 今度の衆議院選挙で希望を託した「希望の党」は惨敗した。

 235人を擁立しながら当選者は小選挙区、比例区併せてわずかに50議席、これは民進党から希望の党への合流を「排除」された議員連合である「立憲民主党」(枝野代表)の55議席にすら及ばなかった。

 小池代表のあの「排除」発言が立憲民主党を立ち上げさせ、それに負けたのだから小池代表の責任は大きい。

 希望の党を一緒に立ち上げた若狭勝氏がお膝元の東京第10選挙区で落選したのも番狂わせだった。

 東京選挙区では25のうちたったの一箇所でしか希望の党公認候補が当選していない。

 だが、希望の党と立憲民主党の両政党から候補者が出た小選挙区では、両方の得票数を合算してみると自民党候補の獲得票数より多い場合がほとんどであった。

 もし、小池さんが民進党からの合流議員を排除することなくすべて受け入れたうえで、一人の候補に絞っていれば自民党といい勝負になったと思われる。

 しかしまあ匙は投げられた。自民・公明の与党は圧勝し、また安倍路線が突き進んでいくことになる。

 選挙から一夜明けた23日午前、安倍さんはさっそくアメリカのトランプ大統領に電話を入れたそうである。

 来月の4、5日当たりに初来日するトランプ大統領へ歓迎の旨の内容だろうが、おそらく北朝鮮へのトランプ路線への支持をも表明しただろう。

 トランプの腹積もりはもう北朝鮮への軍事攻撃しかない。問題はその規模と、いつやるかで、安倍さんはすでに聞かされて覚悟を決めているのかもしれない。本当はそれこそが「国難」だ。

 願わくば、「拉致問題は私の政権の時に必ず解決する」と言った安倍さんには、金正恩に直接会うか親書を送って平和的な外交を展開してほしいものだ。それが所詮かなわぬにしても、金正恩の核への執着を翻意させ、北朝鮮が周辺の国々と同じ民主国家に生まれ変わるべきことを訴えてほしい。

 金正恩の今の在り方はまさに「専制君主」そのものである。少なくとも国家元首にまでランクを落とし、権力を持たない国民融和のシンボル的な存在になれば戦争に至らずに済む可能性はある。世界200か国の中には国家元首をシンボルとしてその下に国民選挙で選ばれた行政府を運営している国も多いのだから、できない相談ではない。

 しかしながら、今のような「暴君」では「排除」せざるを得ないだろう。

 排除のやり方によっては戦争被害に大きな違いが生まれるが、武力を使う以上、多少の犠牲は仕方がない。その犠牲者の中に、多くの一般市民と、米軍と、そして今度は「安保関連法制」に基づいて相当危険な任務に就かざるを得ない自衛隊が含まれることは間違いない。

 その犠牲がどれ位なものかにもよるが、あのイラク戦争当時のサマーワにおける危険の比ではないことが報道され、具体的な戦死者が続々と生まれた時、国民がどう思うかが新・安倍政権の命脈を左右するだろう。

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どの党も・・・。

 衆議院選挙戦たけなわのようだが、鹿児島では大隅地方は姶良郡区と合体されてますます大面積になったのに「小選挙区」とは悪い冗談だ。

 「有権者数何十万にひとりの議員」という数字だけが独り歩きしている。これでは過疎地域の声はますます聞こえにくくなり、人口の増加している首都圏・大阪圏・名古屋圏などの地域だけが国政を左右することになって行く。

 北海道に次ぐ面積を持つ岩手県ではたった二つの「小選挙区」しかないが、そのうちの一つが議員一人を選ぶ最も面積の広い小選挙区で、報道によると選挙運動カーをただ走らせるだけで選挙区内の端から端まで13時間もかかってしまうそうである。

 それに比べると東京などは、ほぼ23区ごとに小選挙区があり、隅から隅まで移動しても車で1時間もかからないような極小面積である。選挙運動もしやすいが当選後の議員活動もやりやすい。

 有権者の人口もだが、そこにこの選挙区の面積を考慮して加重し、さらに大切なことだが、選挙民の投票率をも加味して議員数を決めたらどうだろうか。

 そうなると東京の小選挙区は現在の3分の1ほどになり、大阪圏・名古屋圏でもかなりの削減になって「小選挙区」は半減し、当然その分議員数が大幅に減る。100議席くらいは減少するだろう。

 希望の党だけが議員定数の削減を前面に出しているが、その削減方法はどのようなものだろうか?


 また希望の党だけが「一院制」を主張しているが、これにも賛成である。参議院の「参議」とは「功労者による顧問官」という存在意義で、長年の行政経験者がその蘊蓄をもって参与するのが本来の属性であるから、人気タレントなどを参議院議員にするなんてことはありえない。

 参議院議員の存在感が極端に薄いので国民(選挙民)の関心を引くためにそのような慣例が定着してしまったのだろうが、これでは全くの税金の無駄遣いである。

 それより本来の「参議」に立ち返り、各都道府県の知事や議長を務め上げた人物を就任させ、年俸制ではなく参議に加わるときにのみ「実費弁償」でやってもらうようにすればよい。

 
 原発ゼロも希望の党とあと一つの党だけが主張している。

 
 今回の「国難突破解散」による「大義」の一つが消費税増税の増税分の使い道の変更だが、これについては今回の解散総選挙ではなく、来年度の衆議院議員任期満了による総選挙の時の争点で十分間に合うのに無理やりに入れ込んでしまったのだが、その理由は「国難の基になりつつある北朝鮮へのアメリカの軍事的介入」を昨年法制化した安保関連法によって支援することが現実化してきた(きな臭くなってきた)ことを踏まえての論点ぼかしだろう。

 北朝鮮の金正恩が「王様」を「退位」しない限り、アメリカの軍事攻撃は避けられないが、安倍さんは「自分の代で拉致問題を解決する」と言ったのだが、北朝鮮へ出向くこともなく絵に描いた餅に終わってしまった。残念なことである。

 去年のアメリカ大統領選挙では安倍さんはじめ自民党政府は民主党候補のヒラリー・クリントンの当選を当然視していたのでそうなったら北朝鮮とのトップ外交も可能だったとも思っていたのかもしれないが、想定外の強硬派であるトランプが当選してしまったので、その後はあたふたとトランプ詣でに突っ走り、とうとう北朝鮮とのトップ交渉など雲散霧消して「トランプ様、あなたのやり方でやってください。従いますよ」と太鼓持ちになってしまった。

 ヒラリーが大統領だったらここまで卑屈なすり寄りはしなかっただろう。


 「日本をリセットする」と言っている小池百合子氏の「リセット」は「しがらみの排除」ということだが、その中に「日米安保」のリセットが入ってないようなのは残念至極だ。

 世界でも稀な二国間軍事同盟が結ばれているのは日本とアメリカ、韓国とアメリカだけである。安倍さんは『美しい日本へ』という本の中で「母方の祖父である岸信介はそれまで占領軍だった米軍を同盟軍に変えたのである。その功績は大きい」などと書いているが、米軍の存在は安保条約・地位協定などにより片務的かつ治外法権的でとてもじゃないが「同盟」と呼べる代物ではない。

 アメリカの核の傘に入って守ってもらっているからと、「核兵器禁止条約」に参加さえしなかった日本政府のあり方を見てもそのことは即座に納得される。軍事的には日本はアメリカの属州とさえ言える状態なのである。

 情けない話だ。安保条約を破棄して日本は日本独自の平和外交を展開するべきだ。


 その前提として天皇の「永世中立国宣言」が必要だと思う。一番いいのは天皇の御所を平安京都に戻して、京都御所において宣言されることだ。

 日米二国間軍事同盟の安全保障条約を破棄すること。天皇が日本の永世中立国宣言をされること。そして京都御所に戻られること(還都)。

 これがこれからの日本の礎でなければなるまい。


 

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アメリカの悲劇

 アメリカでまた銃による大量殺人事件が起きた。

 ラスベガスで容疑者がホテルの32階から銃を乱射し、約400メートル離れたコンサート会場にいた観客のうち58人が即死し、負傷者は500人以上だという。容疑者の64歳の男は自殺したようだ。

 1年位前だったか、同性愛者のパーティ会場を狙った大量殺人があったことを覚えているが、アメリカではこういった殺人事件が後を絶たない。

 何しろ殺人事件による犠牲者の数は年間2万人(交通事故死は約3万人)で、人口10万人当たりちょうど5件の殺人事件が起きている国である。

 これを日本に置き換えると殺人による死者数は7000人ということになり、交通事故による死者数は1万人だが、実際には殺人事件で400人弱、交通事故では3000人強。殺人事件の発生率は日本の16倍である。こう比べると、アメリカ社会の治安の悪さが想像できる。

 アメリカの殺人事件の最大の特徴は銃が使われているということで、銃の入手が実に簡単だということが殺人を容易にしているのは間違いない。

 こうしたとき常に「銃の入手規制」が取りざたされるのだが、一向に規制がなされないのもアメリカ社会の特徴である。ここまでくるとアメリカの「病理」なのだが、今回もトランプ大統領は現地を見舞いながら、銃の規制については触れないで済ました。下手に規制しようものなら銃で暗殺されるのかもしれない。

 トランプの良き隣人・安倍首相が哀悼の意思を電話で伝えたようだが、その際に「我が国では銃刀法によって銃や刀が厳重に管理されているのでかなりの殺人事件が予防できている」――ということを一言いうべきだったろう。

 銃が規制されれば間違いなく殺人事件も被害者の数も半減できるだろうに、そうしないのは結局「世界の警察官」を自認して海外に派兵し、兵士の血を流させて来た罪深さを国民に直接嫌悪されまいとする為政者の忖度が働いているのだろうか。

 ソ連邦が崩壊して冷戦が終結してからアメリカは「世界の警察官」であることを止めたはずで、日本にたくさんの米軍基地を置いておく必要性は薄れたのに、歴代自民党政府は「米軍様、どうかいてください。日本の安全保障のために」と言い続けてきた。

 自分の国の治安悪化や災害、また「古き良き白人層の零落」などという問題山積みのアメリカは、トランプが言うように「アメリカファースト」で他国にしゃしゃり出る必要はない。地域の紛争は国連全体の「集団的自衛権」で解決するべきで、安倍首相もそこを言わなければならないのにトランプへのお追従が過ぎるのが残念だ。

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民進党の分裂

 若くて超優秀な女性議員を幹事長に据え(抱き寄せ)ようとした矢先に向こうが若い男に抱き付いてしまったので、民進党を飛躍的に伸ばそうという計画が全く狂ってしまった民進党代表の前原氏は、憤懣やるかたなくついに解党を決意し、新たな党を立ち上げたマドンナ議員の先駆けでいまだに美貌を保持したままの小池東京都知事のほうに抱き付き先を変えた。

 抱き付かれた小池百合子氏はすべてを受け入れるのではなく、「改革保守」以外の旧民進党議員の受け入れを拒否している。

 「改革保守」とは自民党綱領から「しがらみ」を取り除いたもののようである。

 もちろん自民党の綱領に「しがらみ」という文字はなく、要するに長い自民党単独政権(1955年の保守合同によって設立されてから、途中日本新党と民主党政権の4年ばかりを引いた58年間)によって日本全国の隅々にまで行き渡ったコレステロールのことだろう。

 コレステロールにも善玉と悪玉とがあるように、良い意味での津々浦々における平等と社会保障などの善玉も多くあるが、一方で「地盤・看板・カバン」と言われる硬直した文字通りのしがらみ(悪玉)もはびこっている。

 この悪玉コレステロールを最も嫌うのが小池流で、しがらみによる政策決定などが許せないのだろう。そこは大いに評価したい。

 実はしがらみは自民党という保守政党ばかりにあるのではなく、旧社会党などの労働組合との癒着もしがらみそのものなのである。小池さんが旧社会党系の民進党議員の受け入れを拒否するのにはその意味で一貫性がある。

 ただしかし、安全保障に関して小池さんは「アメリカとの同盟は安全保障の基軸」と考えており、自民党政権との違いは全くない。

 これは残念なことだ。アメリカとの「軍事的な癒着」もしがらみの一つだろう。しがらみというには巨大すぎて語彙が妥当ではないかもしれないが、米軍の核の傘・軍事力の傘に入っているから安全が保障されている――という米軍への一方的な「しがみつき(抱き付き)」は、実は集団的自衛権を放棄していることに他ならないのだ。

 米軍だけに頼る「二国間安全保障同盟」は国連憲章上は一時的なものであり、国連の正式な加盟国なら紛争は安全保障理事会に訴え、理事会で必要とあらば国連の要請した多国籍軍による集団的自衛権の行使によって解決するのが筋なのである。

 日本は米国との安保・基地協定・合同委員会等により、がんじがらめにされているのが実状で、言うなれば軍事上日本はアメリカによって遠隔操作されているに等しい。

 ロシアのプーチン大統領が平和条約締結や北方領土返還に後ろ向きなのは、そのことがあってのことだ。彼らは常に「北方領土は第二次世界大戦の結果我が国が獲得した領土である」というが、それは日本がアメリカとの単独講和、つまり国連復帰と同時に締結された日米安保による米軍への基地提供、そして最近の安保関連法成立による米軍への加担への対抗措置に他ならない。

 要するに日本がアメリカとの単独(二国間)軍事同盟を結んでいる限り、ロシアは平和条約を結ぼうとしないし、その象徴ともいうべき「北方領土返還」には応じないのだ。ましてや安倍首相の悲願である日本の国連安全保障理事会の常任理事国就任など戯言としか思わないだろう。味噌汁で顔を洗って来い(アメリカとの二国間軍事同盟を破棄してから言って来い)というわけである。

 安倍首相は「大叔父の岸信介は、アメリカとの交渉で占領軍だった米軍を同盟軍に変えたという功績があった」などと言っているが、二国間軍事同盟の下で結ばれた基地協定の中身を知ると、米軍はほとんど占領軍と変わっていない。小池さんはこのようなことを分かっているのだろうか?

 

 

 

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国難突破解散??

 9月25日の首相声明は「28日に臨時国会を召集し、その冒頭で衆議院を解散する」「国難突破解散だ」というものであった。

 いわゆる冒頭解散で、これに対しては他党も国民も声明の前から「加計問題や松友学園の真相を隠すための解散で、大義がない」「敵前逃亡解散だ」と批判してきた。

 夜9時のNHKニュース、10時の報道ステーションそれに11時のTBSのニュース番組に続けてゲストとして登場した安倍首相はこの解散についておおむね次のように述べた。

 1.2019年秋に導入される消費税10パーセント政策は不変だが、2パーセントのアップのうち5分の1(約1兆円)は高齢者の社会保障費に充て、残りの5分の4(4兆円)を政府の赤字(これまでに積もった赤字国債などによる借金)返済に充てるとしていたが、後者の4兆円のうち半分を子供の教育支援に回す。

 2.北朝鮮の核開発問題に関しては、国連によりそれをストップさせるための最大限の制裁決議が賛成多数で採択されたが、北は一向に耳を貸そうとしない。これを解決するために自分はどうしても首相のままでいて外交努力をしたい。

 以上の2点が安倍首相の国民に信を問いたいことだそうで、加計問題・松友学園問題で足を引っ張られて最も大事な「国難」への対処に遅れてはならない――これが解散を急ぐ理由のようである。

 1.については、誰もがまだ2年先の消費税増税の増税分の使い道などいまごろ早々と信を問うとして取り上げるのはおかしい、と言っている。当然だ。安倍首相が加計問題等を無視して首相の座に居座ったとしても来年秋には総裁の任期が切れるのだから、消費税増税分の使い道の変更などその時に政権を任された首相が提案して国民に信を問えばいいことである。

 したがって、1.は全く冒頭解散の理由にはならない。1.は、「本当は怖い2.」を薄めるための猫だましだ。

 となると、当然のことながら本命は2.である。

 9月3日の北朝鮮の核実験(水爆)以来、トランプ大統領と安倍首相との直接もしくは電話会談が大幅に増えており、おそらくアメリカによる軍事攻撃が日程に上っていることに対する安倍首相の考えが(向こう側からのものであれこちら側からのものであれ)相当率直な範囲で取り上げられているのだろう。

 その一つの証拠が、トランプの国連演説で「拉致問題」が語られたことだ。
 
 日本と北朝鮮の間には「拉致問題」が懸案事項として存在し、これについては2000年に小泉首相が北朝鮮に乗り込み、金正日と直接対談をした結果、3家族が帰国を果たした。その交渉役を任されたのが小泉首相の懐刀だった安倍首相だった。

 安倍首相は最初の内閣を持った時に、「私の代で拉致問題を解決する」と大見得を切ったはずだが、一向に北朝鮮に乗り込む気配を見せなかった。金正恩が三代目を継いだ時に表敬を兼ねて行っておればよかったのにと思う。そうしておけば金正恩はまだ融和的な対話路線で振る舞うようになったのではないか。

 今頃蒸し返しても遅いが、とにかくトランプが国連演説の中で不意に「拉致問題」に言及したのは安倍首相による進言に応えるものだろう。

 安倍首相としてはトランプの北朝鮮への軍事攻撃の意思が固いとみてたぶん「拉致被害者が向こうにいるから全面的な攻撃は可能な限り避けてくれ」というような意見を述べたに違いない。
 
 「国難」などという大時代的な名付けをしたということは、北朝鮮への軍事的介入が喫緊に迫っていることの表われとみてよい。


 今度の冒頭解散は加計・松友問題隠しもさることながら、最大野党・民進党の足並みの乱れと小池新党(希望の党)の発足による保守層の切り崩しは今なら微々たるものという読みの2つがあってのことだ。

 この読みが当たる可能性は強いだろう。いくら小池氏が国政政党の党首になり選挙戦を戦ってもわずか4週間しかない。

 ≪安倍首相に信を与えたら、北朝鮮戦争が起きた場合、トランプとの密約と安保関連法案によって邦人救出の名目で自衛隊艦船が派遣され、ことと次第では米軍の後方支援(武器・燃料・人員)を命ぜられ必ず戦闘による多数の死者が出る。要するに自衛隊は堂々と国外の戦争に加担することになる。それでいいかのか≫

 これが今度の反安倍路線の採るべきフレーズだろう。

 これでもなお安倍首相が信任されるとなれば、我が国にも北朝鮮戦争による想定外の被害が発生して「アメリカへのお追従政策」は今後完全に見直されるようになるだろう。

 戦後、平和条約が結ばれたにもかかわらず、それはアメリカとの単独講和であって米軍による軍事的な締め付け(日米安保・地位協定)が今もなお沖縄はじめ日本列島各地で展開されているのを解消し、そのためには「永世中立国」になるのがもっともよい選択であるということを小池さんの新党への結集によって成し遂げてもらいたいものだ。

 小池氏のように自民党とのしがらみを捨て、あらゆる地盤・看板・カバンとのしがらみを持たない人は貴重である。
 ひいてはアメリカとのしがらみを解消する人物としても打ってつけだ。

 永世中立国になって世界の問題を平和裏に解決し、どの国にも平和への「希望」与える国こそが日本の採るべき道だと思う。「希望の党」を応援したい。

 

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